ホークスではコーディネーショントレーニングを積極的に行っています。
コーディネーショントレーニングとは
コーディネーションとは「状況に応じた身のこなし」を選択するスキルの事です。
活躍しているスポーツ選手は、この能力が非常に高いと言われています。
コーディネーションは以下の7つ能力で形成されています。
- リアクション(Reaction):状況に反応する
- ディファレンシング:対象との位置関係で力の強弱をつける
- カップリング:左右の手、上半身・下半身を効果的に使う
- アダプタビリティ:状況の変化を理解する
- バランス:体のバランスを保つ
- リズム:流れに沿う、流れを変える
- オリエンテーション:空間を把握する
一見あたりまえのような内容です。
ただ、外遊びをする機会が減っている現代では子供たちが根本的な動き方を理解できていないと感じる事は多いです。
トレーニング自体は、遊び、ゲーム感覚で楽しみながらチャレンジできるもので構成されています。
子供たちの様子を見ると、コーディネーショントレーニング後の練習で積極性が出るので副次的な効果もあります。
コーディネーショントレーニングを重視する理由
小学生期は神経の発達量が多い時期と言われています。
単純な動きだけでなく、状況に応じバランスを保ったりリズムを変えたり、体の調節をしながら複雑な動きを覚えやすい時期です。
技術を習得するということは新たに神経回路を形成することであり、脳や神経系の働きに柔軟性のある学童期に十分な刺激を与えることが効果的である。
バスケットボール指導教本[改訂版](日本バスケットボール教会)
コーディネーションスキルが上がった場合に期待される効果
- 怪我の予防
- スキル習得のスピードアップ
- 状況に応じてスキルを発揮
バスケットボールにおける日本の国内事情
JBAからは以下のような問題と原因が指摘されています。
- 海外のプレーヤーと比べると、高校生以降の伸びが少ない
- 選抜チームを組んでも、日本のプレーヤーは戦術への対応力が著しく劣る
神経系の働きが発達する9〜12歳に適切な刺激が与えられず、”できばえ”やチームでの役割ばかりが強調されてしまうことに原因がある。
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ホークスは試合が少ないため、コーディネーショントレーニングを選択しやすいチーム事情もあります。
コーディネーショントレーニングのデメリット
対となるトレーニングのひとつに技術トレーニングがあります。
技術トレーニングはスキルのクオリティ(確率)を上げるもので、スキルアップの判断がしやすい特徴があります。
一方、コーディネーショントレーニングの効果は分かりにく、神経に刺激を与えることが目的でクオリティ(出来栄え)を求め反復するトレーニングでもありません。
近隣チームの指導者の方々にも伺ったところ「あまり効果を求めて行うものではない」と同様の意見でした。
上述したように、子供たちが楽しみながら前向きにトレーニングできるという効果も期待できるので、ホークスでは習得したいスキルと絡めながら積極的に活用するようにしています。