体を動かす!運動としての競技特性
バスケットボールは小学生にとって運動上のメリットが多いと考えています。
スピーディーに走・跳・投のすべての動作をバランスよく機能させることが求められることから、両手、両足を総動員することになり、結果としてバスケットボールによって、さまざまな動きを効率よく学ぶことができる。
バスケットボール指導教本[改訂版](日本バスケットボール協会)
一方、野球や卓球などと比べると動体視力が発達しづらいとも言われます。
ただ密集した状況でプレーするため、周辺視野で状況を把握する必要がある競技です。
周辺視野は中心視野に比べリアクションまでの時間が早いと言われているので、素早く状況に応じるスキルは伸びると考えます。
以前、ナショナルトレーニングセンターに出入りしている卓球コーチの方とお話しする機会がありました。小学校でバスケをしていた子供が、中学部活で卓球を始めた場合、スムーズに移行できるケースが目立つ。とお話いただいたことがあります。
※卓球は非常に戦略的な競技で全国レベルでの活躍を目指すのであれば3〜9歳から始める必要があると考えます。
いずれにしても、ホークスでは水泳や体操など他のスポーツをすることも推奨しています。
ゲームと視野
視野には中心視野と周辺視野があります。
中心視野は焦点を当てている部分、周辺視野はその周囲のぼやけて見える部分です。
今はポータブルゲームやスマートフォンが身近ですが、以下の弊害もあります。
視野には中心視野と周辺視野がある。ポータブルのテレビゲームに熱中する子どもたちは、特定の物に対して焦点をあてて見る癖がついているが…
バスケットボール指導教本上巻[改訂版](日本バスケットボール 協会)
ポータブルツールは猫背にもなりやすいので、やはり子どもの利用はほどほどにするのが良いと考えます。
スポーツとしての競技特性
バスケットボールはトランジションスポーツに分類されます。
トランジションとは攻守の切り替えの事です。
同様のスポーツは、サッカー、ラグビー、ハンドボール、ホッケー、水球があげられます。
また、トランジションスポーツはオープンスキル(状況により発揮するスキルを変える)が必要とされる競技です。
バスケットボールは、コートの広さ、プレーヤーの人数、手でボールを扱えることから他のトランジションスポーツと比べると以下のような特徴があります。
- 点が入りやすい。
- 1点あたりの重みが少ない。
- 終盤にゲームがもつれた場合、非常にエキサイティングになる。
- チームの実力差がある場合、ゲームがだれてしまう。
- 密集した状況になりやすく、オフェンス、ディフェンスの切り替わりが多い。
試合で勝つ確率を上げるための考え方
トランジションスポーツにおいて、1回のオフェンスを「シュートを打つまで」もしくは「相手にボールを奪われるまで」と定義すると、原則両チームに同じ回数のオフェンスチャンスがあります。
その場合、勝つ確率を上げる方法はオフェンス、ディンフェス面から以下が考えられます。
オフェンス視点
- 自チームのシュートの回数を増やす
- 確率の高いシュートを打つ(バスケは期待値の高いシュート)
ディフェンス視点
- 相手チームのシュートの回数を減らす
- 確率の低いシュートを打たせる(タフショット)
同数のオフェンスチャンスでは、シュートを打つ前のミスが課題となります。
つまり勝率を上げるためにはターンオーバーを減らす事が重要です。
小学生におけるターンオーバーの考え方
ホークスは育成型のチームなので、積極的なプレーの結果のターンオーバーは問題視ししていません。
初心者や大人しい子どもが多いチームなので、むしろ歓迎しています。
例えば、以下のようなプレーです。
- 積極的にドライブを試みたが、ボールコントロールを失った → 積極性を褒め、ハンドリング強化のアドバイス。状況に問題があれば、状況を伝え他の方法(カウンタームーブ)があるか確認する。
- ファーストブレーク時に前を走る味方にパスをしたが力弱くパスカットされた → 状況判断できた良さを伝え、自分の届く範囲理解と、その状況になるまではドリブルを選択とアドバイス。
問題視するターンオーバー
問題視しているターンオーバーは、バスケットボールの身のこなしができないことで発生するターンオーバーです。
ホークスが考えるファンダメンタルや身のこなしは、初心者がターンオーバーを減らすためのスキルと考えています。
ファンダメンタルについては、改めて投稿したいと思います。
バスケットボールでオフェンス回数を増やすには
トランジションスポーツは原則オフェンス回数が同じ。と上述しました。
バスケではオフェンスの回数を増やす方法があります。
それはオフェンスリバウンドです。
強力なリバウンダーは「オフェンスリバウンドで自チームのオフェンス回数を増やす」「ディフェンスリバウンドで相手チームのオフェンス回数を増やさない」を可能にする、非常に価値のあるプレーヤーです。
「リバウンドを制するものはゲームを制する」と言われるゆえんでもあります。